晴れのち雨

「俺が感じている罪が消えることはない。皆が俺を責めんくても、俺自身が心の何処かで責めてるから...」


私から涙が落ちる。


「けどな、それと向き合って乗り越えていきたいと思った。葵のおかげやで。」


私の涙をすくう先生。



「葵も罪を感じてるやろ?」


「うん。私だって、先生の弱味につけこんだ所あるし...」


「それは違うで。選んだんも望んだんも俺や。だから葵は罪なんか感じんで良いで。
その代わり...ずっと笑顔でおってな。」


「うん。トモの隣にいれば、自然に笑顔になれるよ?
でもね...
私も悪い所はあるから、トモが何と言ってもトモと罪を乗り越えていくから。」


先生の瞳から一粒の涙が零れた。


「ありがとう...葵。」




その日、私達は抱きしめ合って眠ったー
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