晴れのち雨
外に出ると冷たい風が吹き抜けた。
「さぶっ...」
とポケットに手を入れて彼が呟く。
「さっきまで外でサッカーしてたのに?」
「コーチだから立ったままで
あったまらないの。」
子どもみたいに口を尖らせ拗ねて見せる
シュウを可愛いと思った。
「今日仕事は??」
高校を卒業してから
家の仕事を継いだ彼に訊いた。
「3時まであったよ。」
さりげなく繋いでいた私の手を
自分のポケットに入れて答えた。
片手だけを温かくして二人で話しているとシュウの家に着いた。
「上がってく?」
格好付けて訊いてきたシュウに
「上がって欲しい?」
とちょっとした意地悪で言ってみた。
「上がってよ。」
優しい笑顔で手を引いてくれた。
大人だなぁ...
時折見せるシュウの余裕にドキドキした。