晴れのち雨
自転車を出し塾の前まで来ると
少し離れた所に見覚えある後ろ姿。
「シュウーー!!」
私の叫び声に気づいた彼が走ってくる。
「今日も塾?」
「うん。補習だったの。」
「あんまり無理すんなよ?」
と頭をポンポンとされた。
そこへ...
「葵ちゃーん! 新教材の案内書!!」
と、再び悠ちゃんの登場。
「あらっ♡
彼氏に送り迎えして貰ってるの??」
案内書を渡すと「若いって良いわねぇ」と、ニヤニヤして塾に戻って行った。
「....噂の悠ちゃん??」
シュウが苦笑いを浮かべながら訊く。
「うん。前に話した悠ちゃん。」
「いい人そうで良かった。
安心して葵を通わせれる」
「シュウ、親みたい。
てか、オネェに安心したの?」
二人して笑った。
ずっと笑っている私から自転車のハンドルを奪うと、彼は私の自転車に乗り後ろに乗るように勧めた。
夕暮れの中
シュウの体温を感じながら家に帰った。