晴れのち雨
awareness
季節は冬を過ぎ桜が咲く頃になった。
...もうすぐ私は18歳になる。
本格的に受験生になったけれど
毎日が充実している。
「このリア充め!!」
そんな憎まれ口を叩くのは結衣だ。
放課後、彼女と窓から桜を見ていた。
「誕生日に秀斗さんと
イチャつく予定でもできたの?」
桜を見て微笑む私の頬に
彼女はブスブスとポッキーを刺す。
「誕生日じゃなくて、誕生日の前日。」
「うざっ!
どっちにしてもイチャついてるし!!」
彼女がこんなに刺々しいのは
先日彼氏と別れたからだ。
「でも、どうして前日なの?
当日なら土曜日でゆっくりできるのに」
「 L I V E ♡ 」
「うわっ!
リア充のくせに彼氏より芸能人かっ!」
「いやいや、仕方ないじゃん。
Hy様が私を呼ぶんだもん。」
私は【raruku】と言うバンドのボーカルHy様を敬愛している。
「秀斗さん泣くよ??」
「大丈夫!! 理解のある彼氏だから。
それにシュウが一番だし。」
「メンクイのくせに...」
そう呟くと彼女は教室を出た。