晴れのち雨
「ずっと....待ってた....
ずっと葵が欲しかったんだ。」
とても愛しく感じた。
「待ってたって??」
彼に掠れた声で問う。
「葵が...葵が18歳の誕生...」
そう言って彼の動きが止まる。
「.....。」
無言になる彼。
「.....。」
何が起こったのか分からない私。
再び動き出した彼は
私の胸元に手を伸ばす。
ビクッとする私を他所に丁寧に一つずつシャツのボタンを留める。
不安になった私は
「私、何かしちゃった?」
と彼の顔色を窺う。
「....はぁ。マジかよ....」
その言葉に不安が増す私。
「18歳になるまで葵に手を出さないって
自分に誓ったのに....。
まだ18歳じゃねぇ....」
いつもより乱暴な言葉使いに
更に訳が分からなくなる。
「葵、明日が誕生日だろ??
今日はまだ17歳だ。
俺は葵にまだ手が出せねぇんだ。」
どうやら彼は私が18歳になるまで
手を出さないと決めていたらしい。
私のことを大切にしてくれているのを知って、心から嬉しい。
「良いよ?私は」
「いや、駄目だ。自分と約束したから。
特に葵に関する事は絶対に破れねぇ」
変な所に真面目と言うか
律儀というか....
クスっと笑うと彼にキスした。
「ありがとう。」
突然のことに驚く彼は
「初めては貰うからな。」
と私を抱き締めた。