晴れのち雨
あれから私は塾には戻らず
そのまま帰った。
先生に出逢ってからは
雨の日は歩いて塾にきていた。
一人雨の中をとぼとぼと歩いていた。
もう塾になんて行きたくない。
もう明日なんて来なくていい。
知りたくなかったこの感情。
何もかもが嫌なのに、捨てきれない自分にイライラする。
服の袖が雨と涙のせいでビチャビチャになっていた。
それでも止まらない涙を堪えれば堪えるほど、余計に涙が溢れてきた。
雨がだんだんと激しくなっていく。
嗚咽が漏れていたが雨音に消された。
涙も
哀しみも
貴方への気持ちも
全て雨に流されてしまえば良いと思った。
オモチャを取られた子どもみたいに泣きじゃくった。
泣き疲れた私の傘は持っているだけで役割を果たしていなかった。
顔はぐしゃぐしゃで
全身はビチョビチョだった。
家の前に着く頃には
たくさん泣いてスッキリしていた。
今の私には前がはっきりと見える。
止まない雨がないように
ずっと泣いてちゃいけないんだ。
まだ雨の香りが漂う中、
私はある決心をして明日を受け入れた。