晴れのち雨
授業が終わって呆然とする私。
ハッとなった私は先生がいるであろう路地裏に向かった。
冬がもうそこまで来ている夜は
暗くなるのが早く、上着を羽織って丁度いいくらいの寒さだった。
走って行ったので
息を切らしている私に
「どうしたん?アオちゃん?!」
と驚きながら煙草の火を消した。
「あっ...あの...はぁーっ....はぁー....
先生、本当に...本社に行ってしまうんですか?」
「そんな走って来んでもええのに」
ははっと笑う先生。
深呼吸して落ち着くと
「私にとっては大事な事なんです!」
さっきよりも驚いている先生。
「私...好きだから...先生の授業...」
一生懸命言葉を続けた。
ふっ、と優しく笑うと
「嬉しいこと言ってくれるなぁ〜
でも、本社に呼ばれてもうたから残念やけど....」
その先をはっきりと言わなかったけれど、私を気遣っているのが分かった。
「先生は...もし...私が大学に合格したら私にもう一度会ってくれますか?」
「当たり前やん!
てか、大学に合格せなアオちゃんは先生に会ってくれへんの?」
「いや...そうじゃないですけど...」
予想外の嬉しい言葉に紅くなる。