晴れのち雨
confession
「先生、好きです。」
言葉の行き先を見つめる。
...ひどくなった雨音だけが聞こえた。
先に沈黙を破ったのは先生だった。
「ありがとう。」
それ以上は何も言わない。
先生を困らせてしまった。
そうなることは分かってたのに
先生を救う言葉が見つからない。
「...うん。ホンマにありがとう...」
そう言って雨を見つめる先生。
「あっ...あの..
私、分かってますから。
先生が私の事を何とも...大切な生徒にしか思ってない事、分かってます。」
何とも思ってない、なんて言い方は
先生を攻めている気がしてやめた。
今、目の前で困っている人が
生徒として、私を大切にしてくれるのは伝わったから。
「気にせず振ってください。」
無理やり笑ってみせる。
本人に言うのは辛かったが
先生をこれ以上困らせたくなかった。