晴れのち雨
promise
「先生?」
止まない雨の中、
現実から目を背けるように
私を見ないで俯いている先生を
そっと優しい声で呼んだ。
ゆっくりと私に顔を見せてくれる先生。
まだ1時間も経っていないのに、路地裏での顔からは想像もつかないほど深い深い悲しみに満ち溢れた顔をしていた。
そんな顔を生み出させたのは私。
「私...先生の所為で彼氏と別れることになったんです。」
私の言葉に少し不思議そうな表情をした先生。
一歩...先生に近づいた。
「先生に出逢わなければ...
彼氏と別れることなかったんです。」
先生は悪くない。知っていたけれど私を見ないように努力する先生に、少しでも私を見て欲しくてわざと傷つけた。
無理にでもこの人に関わっていかないと
この人はいつか壊れてしまうー
根拠もないのに、そんな気がした。