晴れのち雨


もう一歩...先生に近づいて

「責任、取ってくれますか?」

首を少し傾けて、静かに問う。

言葉の真意が分からないと言わんばかりに不思議そうな表情をする先生。


「彼氏と別れた責任を取って下さい」

一気に先生との距離を縮めた。

「責任?」

「はい。」

少しの躊躇いもなく答える私に
あからさまに動揺している先生。

「あ...アオちゃん急にどうしたん?
なんかいつもとちゃうで??」

「いつも通りです。」

強引にいけば今の弱っている先生なら、赤子の手を捻るくらい簡単にやり込めると思った。

自分のズルさを知った。


「よく分からん上に、責任って何したら良いか分からんし...」

しどろもどろになる先生。

「簡単なことです。」

ニッコリ笑って言った。

先生は「簡単」と聞いたせいか
私の作り笑いに安心したのか
ホッとした表情になる。


あぁ...もう戻らない。
そして戻れない。


スッと背伸びをして、先生の顔に手を伸ばし頬に触れて

「私を抱いて下さいー」

消えたはずの涙を堪えた。




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