晴れのち雨

真っ直ぐにライター売り場へ行き
ライターを探した。

何度も何度も探したけれどなかなか見つからない。


諦めかけてたその時、
スッと隣に来た男性がライターを戻しにきた。


無意識にそれを見ていると
私の探していたライターだった。

ライターが棚に戻るとほぼ同時に
私はそのライターを手にしてた。


間違いない。
このライターだ。

見つかったことの嬉しさに何も気にせず、ライターを購入してお店の人にラッピングをして貰い店を出た。



再び扉を開けると、雪が舞っていた。

街がいっきに幻想的な絵に変わった。


寄り添い合う恋人達。

雪を喜ぶ子供のいる家族。

楽しそうな学生達。



この絵の中に私は入って良いのだろうか。

知らないうちに幸せな場所を拒んでいた自分に驚く。


先生と会うことに不安が増した。
もし先生がいなかったらどうしよう。

だけど、先生に会いたかった。
今日まで好きでいさせて欲しい。

そんなことを思いながら先生に会えるであろう所へ向かった。
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