晴れのち雨
床に膝をついて、ソファーに座った私達に龍馬さんが
「何飲んでく?」
と尋ねた。
「ごめん。今日は遠慮しとくわ」
「おいおい。居酒屋に来といて酒飲まねぇとか、喧嘩売ってるとしか思えねぇんだけど」
テーブルに肘をついて
先生を睨む龍馬さん。
「ごめん。ごめん。
今日は車で来てもうたから。」
はぁーと溜息をついて
「お嬢さんは?」
と龍馬さんが首を傾げて私を見る。
色っぽい仕草にドキドキしていると
「彼女、お酒苦手やねん。」
と代わりに先生が答えた。
はぁーとまた溜息をつくと
「悠希もお前も彼女には甘いなぁ。」
とヤレヤレといった感じで両手を上げた。
「えっ!?
悠ちゃん、彼女いるんですか!?」
と驚きのあまり、声に出してしまった。
「ん?悠希を知ってるのか!?」
目を見開く龍馬さん。
あ。しまった。
龍馬さんにバレてしまう。
右手で口を抑えていると
横で、はぁ〜と溜息が聞こえた。