晴れのち雨

「失礼します。」
と店員さんが飲み物を運びに来た。

「おう、サンキュ」
と龍馬さんは店員さんにお礼を言うと


「だから、気をつけろよ」

と私に言った。何のことだろう...と不思議に思っていると、

「悠希だよ。油断してっと襲われるぞ」

と付け加えてくれた。


「っはは!確かに悠ちゃんって襲ってるイメージありますけど、流石に生徒の私には襲いませんよ」

と笑いながら返すと


「いいや。分かんねぇ。現に葵ちゃんの隣にいる奴は生徒に手を出してるからな。先生だからって油断大敵だ。」


とニヤっと先生を見た。


「龍馬、お前に言われたくないわ。」

と烏龍茶を飲む。


「そりゃ、失礼。
流石に酒は出せねぇが、手は出すかもな」


と席を立ち、私の髪に触れた後
仕事に戻って行ってしまった。


その背中に
「龍馬!今の全然上手くないからな!!」
と先生が叫んでいた。
< 98 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop