パパ、もう一度ほめて
*3
――後悔なんて、
いくらしたってしきれません。
もし、あの時に戻れたなら、
父を、
パパを、
助けることが出来たのでしょうか?
もう、
あの、
父の顔は見れないのですか?
冷えきった肌に手を触れる。
父は冷えているのに、
溢れる涙は温かいのです。
父は微笑まないのに、
思い出はどれも温かいのです。
溢れる涙に、
限度はあるのでしょうか。
真っ暗な闇のなか、
ただただ私を打つ雨は
冷たいのです。
頬をつたる涙は愛に溢れてる。
あの、真っ暗な、
漆黒の空に向かって
手を伸ばし父の名を叫んだのなら、
聞こえるのでしょうか?
手は、届くのですか?