パパ、もう一度ほめて
私は、気づくと自分の部屋にいた。
お母さんはまだ病院らしい。
お父さんから貰った漫画が
目に入る。
一旦収まりかけていた涙が溢れだす。
部屋を見渡せば、
この部屋の多くがお父さんの稼いだお金で買ったものばかり。
全部が、お父さんからの、愛のようにみえて、
涙が止まらない。
机に置かれた、あの絵を見る。
「…パパが、ほめてくれた絵…。」
もういっそ、
破り捨ててやろうかと思った。
それでお父さんを忘れられるなら。
でも、破れなかった。
破ったら、私は漫画家になれないような気がした。
ふと時計を見て、現実に引き戻される。
まだ、朝はやい。
「寝よう、」
泣きつかれた目を擦りながらベットに潜る。
目が覚めたら、夢で終わってるかもしれない。
そう思いながら目を閉じた。