Firstly
そして掴まれた左腕。

抗う間もないまま巻きついた腕輪。

シュリアナは首をかしげて、とくにこれといって豪華な宝玉のないシンプルなそれを見つめた。

ああこれが誓約の証。

確かに自分達の関係に指輪は大げさだ。

1人納得して再び夫となった目の前の人を見上げた。

もう帰っていいのかしら?

問いかけるように見つめる。

すると王子の顔が朱色に染まっていく。



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