桜が咲いたら
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*桜が咲いたら*
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「ちょっと更紗!!
武蔵先パイ来てるよ!!」
10月も半ばの、秋も深まってきた頃だった。
数人の友達と一緒に他クラスの展示物を眺めていたあたしの耳に、
懐かしい名前の響きが飛び込んできた。
え?
と思って振り向くと、教室の扉に手を掛けて、息を切らしている友達の姿。
“む、さし…”
一瞬ふと宙を見つめたあたしは、自分にとってのその名前のとてつもない重さと
今その彼が母校である我が中学に来ているという事実を受け入れるまでに、
多少時間がかかってしまった。
*桜が咲いたら*
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「ちょっと更紗!!
武蔵先パイ来てるよ!!」
10月も半ばの、秋も深まってきた頃だった。
数人の友達と一緒に他クラスの展示物を眺めていたあたしの耳に、
懐かしい名前の響きが飛び込んできた。
え?
と思って振り向くと、教室の扉に手を掛けて、息を切らしている友達の姿。
“む、さし…”
一瞬ふと宙を見つめたあたしは、自分にとってのその名前のとてつもない重さと
今その彼が母校である我が中学に来ているという事実を受け入れるまでに、
多少時間がかかってしまった。