桜が咲いたら
「うそ!!

今どこ!!??」






「家庭部の喫茶!!

急いで」






バタバタと長い廊下を走りながら自分と同じ制服姿の人並みや

OBや保護者だと思われる人並みをかき分けていく。

途中何度か、焦りすぎて足がもつれて転びそうになった。






短いスカートをひるがえしながら階段を駆け上がって、開け放たれた家庭科室の扉を覗くと、


そこに懐かしい彼はいた。






何人かの友達と笑い合いながら、

卒業式から全く変わらない、明るく人懐っこい笑顔で。



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