桜が咲いたら
(先パイ…だぁ)






弾む鼓動を落ち着かせるように、あたしは大きく息を吸う。







少し背が伸びたのだろうか。


いつも中学のガクラン姿を見ていたから、その思い出の像とぴったり重なり合うまで、

ほんの少しのブレと違和感。








大きな声。


きりっと通った眉。


楽しそうな笑い方。






全然、どこも変わってない。

3月の卒業式から、どこも変わってない。

あたしを相変わらずドキドキさせる、その笑顔。





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