大人の関係
「美味しい。人に作って貰うご飯がおいしいって結婚するまで気付かなかったー」
春美は結婚するまで実家住まいだったのでそう思うのだろう。
「そうですよね。わかります~。私も一人暮らしするまで気付きませんでしたよ」

「赤ちゃん生まれたら、家に遊びに来てね。その時はごちそうするから」
「楽しみにしてます」

他愛もないおしゃべりをしながら食事を楽しんだ。



まだ8時前だが、帰るという春美を駅まで送り届けた。

一人で暗い部屋に帰って来て、ため息をつく。


春美の幸せそうな笑顔を思い出し、漠然と目を背けていた長野との関係を考える。

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