大人の関係
ピピピ という電子音が二人の空気を引き裂く。

グリルの時間をタイマーセットしていたのだ。


そっと長野の腕から離れる。

「あ。もう、ホイル焼き出来たかな?」
「いい匂いがしてるね。急に腹が減ってきたよ」
「じゃあ、すぐに用意しますね」


長野の脱いだコートを自然な流れで受け取りハンガーにかける。

先ほどの甘い雰囲気は全く消えていた。



お酒を飲まないのなら、とご飯もよそい、テーブルに並べる。

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