大人の関係
美沙はお茶を飲みながら向かい合わせで座り、長野が食べているところを見ていた。

「うまい!今日は昼飯が早い時間だったから、腹ペコだったんだ」
「あ。お昼、びっくりしました」
にやっと笑ってホイル焼きのしめじを口に運ぶ。

「じゃあ。成功!美沙をびっくりさせたかったんだ。昼イチから客先だったから会えるかギリかなって思ってたんだけど」

急に真顔になり

「俺、ドキドキしてたんだ。分かった?」


その顔にドキリとしたが、表情を変えないように美沙は返した。
「全然。余裕にしか見えませんでしたよ」
「美沙のこと考えると、いつでもドキドキしてるよ」

さらっとそんな事を言う長野の目を見れず、目を背けるように立ち上がった。
「お代わりありますよ。お茶どうですか?」
「ああ。お願い」
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