大人の関係
美沙がまだ混乱している間に長野は慌ただしく出て行ってしまった。

支度をしなければ。と思うが、一旦落ち着こうと椅子に座りお茶を飲む。
まだほんのり温かいお茶を一口飲み、考え込んだ。


寒い所。どこだろう？
きっと聞いても着くまでは教えてくれないのだろう。

まだまだ電車もある時間なのに、レンタカーということは交通の便のいいところではなさそうだ。



寒いというのならスカートではない方がいい。

長野が来る日はいつもスカートにしている。
スカートの方が好きだと聞いてからだ。
今日も淡いオレンジ色のふんわりとしたワンピースにカーディガンを羽織っていた。
春美が帰った後、慌てて着替えたワンピースを脱ぎ、ジーンズにした。


ボストンバックを取り出し、手早く荷物を詰めていく。
少し悩んだが、長野好みの別のワンピースも詰めた。


荷物を作り終え、キッチンの片づけを始める。
長野の食べた分だけなのですぐに済んだ。

戸締りを確認し、ダウンコートを着た。
後はカギを閉めて出かけるだけだが、なかなか電話が鳴らない。
< 37 / 132 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop