大人の関係
「貸別荘なんだ」

どおりで敷地が大きい家が多かったのか。
坂を登ってきたので見晴らしもよく、夜景がきれいに見えた。


きんと冷えた空気を感じ、二人でコートを慌てて着込んだ。
そして笑い合う。
何か普段と違うこの雰囲気に少し興奮していた。


ポスト横にセキュリティボックスがあり、ナンバーを押してボックスを開錠した。
キーを取り出し、建物へ向かう。
敷地が広く、玄関口まで少し距離がある。


「気を付けて」
駐車場のライトは付いていたが、アプローチの足元は暗く長野は美沙の腕を取り、ゆっくりと進んでいく。
美沙も長野に少し身体を預けて歩いて行った。

< 46 / 132 >

この作品をシェア

pagetop