たべちゃいたいほど、恋してる。②
それでも、その小さな手は縋るように龍之介の服をぎゅっと掴んでいる。
そんな優衣の手を龍之介の大きな手のひらが撫でるように包み込んだ。
そしてそのままするりと絡めとられる指先。
「優衣に触れなくて、俺すっげー苦しいんだけど」
優衣は苦しくねぇの?
指を繋いだまま滑らされた唇は再び耳元へ。
まるで試されるように囁かれれば、抵抗などもう出来るはずもない。
龍之介の思惑通り、ボンッと完熟トマトのように全身に赤みを纏った優衣。
その姿に龍之介は嬉しそうに目を細めた。
「ず、ずるい!」
「知ってる」
真っ赤になりながらも必死に言葉で対抗を試みるが、さらりと肯定の返事を返されてしまう。
まさに悪あがき。