たべちゃいたいほど、恋してる。②
そんな余裕綽々の龍之介に、優衣は更にどうしたらいいのかわからなくなり戸惑うのだ。
縮こまる体、下がる眉にさ迷う視線。
優衣は知らない。
くるくる変わるその表情を龍之介が楽しんでいることを。
完全に龍之介のペースである。
(キ、キス…って、キス…だよね…?)
今にもパンクしそうな優衣の頭を廻る先程の言葉。
龍之介は確かに"キス"と言った。
いつもは龍之介が無条件で与えてくれるそれ。
今まで優衣が自らそれを行動に移したことはなかったし、龍之介が強要することもなかった。
一度だって無かったことだけに、優衣も出来るならそれに応えたいと思う。
しかし、それでもやっぱり恥ずかしくて。
「あ、言い忘れてたけど」
「?」