たべちゃいたいほど、恋してる。②




そして




「俺もお返し」




楽しげな声とともに頬に落ちてくる唇の感触。


まるでそのまま食べられてしまいそうなほどに唇で頬を挟まれて。

その感触にとくんと胸が波打つ。


いまだ慣れることのないそれは、手放すことの出来ない幸せの音。


チュッと小さな音をたてて唇が離れれば、優衣の体は龍之介の大きな体にすっぽりと抱え込まれた。




(ふへ。龍くんの匂いだー)




包まれた香りに自然と優衣の頬が緩む。

それは窓を飛び降りた優衣の体を受け止めた日から少しも変わっていない。


もっともっとと龍之介の胸に顔を埋めれば、更に強まる腕の力。

片方の手は優衣の腰に、もう片方は髪を優しく撫でつける。


その心地よさに優衣はうとうとと目を閉じた。




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