たべちゃいたいほど、恋してる。②




「休み、終わる前にちゃんとデートしような」




半分夢の中に足を踏み入れていた優衣の耳に届いた言葉。

その言葉に優衣は慌てて顔を上げる。


そんな優衣の体をまるで子どもをあやすように揺らしながら笑う龍之介。




「本当?」


「おう」




龍之介の顔を覗き込みながら瞳を揺らす優衣に、龍之介は当然だと首を縦に振った。




「花火大会はタケたちも一緒だったしな。最近どこも行けてねぇし、休み終わる前に二人で出掛けようぜ」




そう。この夏の一大イベントであった花火大会。

それを優衣は楽しみにしていた。もちろん龍之介も。


しかし本当なら二人で行く予定だったそれは、健の兄の猛烈な我儘により二人で行くことが出来なかったのだ。




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