たべちゃいたいほど、恋してる。②
「あ、は、はじめまして!遊佐優衣です」
名前を告げれば、知ってるよとまた笑って答える新藤。
人懐っこいその笑顔はどこか健に似ていて。
つられて優衣の顔にも笑みが浮かぶ。
親近感を覚えるその笑顔。
まるで太陽みたいに笑う人だと優衣は思った。
彼の周りは常にたくさんの人で溢れていそうだ。
そんな新藤は優衣から手を離した後、何故か恥ずかしそうに視線をさ迷わせる。
よく見ればその頬にほんのりと色を飾る赤。
そしてそのまま数秒悩むように俯いたから、新藤は躊躇いがちに口を開いた。
「あの、さ…今日のケーキ、どうだった…?」
「……へ?」
「ケーキ…?」
思わぬ質問にきょとんとする優衣と夏希。