たべちゃいたいほど、恋してる。②




しかし新藤の瞳は至って真面目で、その声色には期待と不安が入り交じっている。

そんな彼の様子に目を合わせる二人。


そして一度頷いた後




「もちろん」


「美味しかったよー!」




と夏希・優衣の順番で声を合わせて笑って見せた。

もちろんその言葉と笑みに嘘はない。


二人の表情に新藤の顔はパァっと明るくなって。

少し恥ずかしそうにはにかんだその顔に浮かぶのは溢れんばかりの幸せ。


それは店から出てくるケーキを食べた客の表情と同じだ。




「そっか…よかった」




右手を胸にあてホッと安心したように息を吐き出す新藤に、何か気付いた夏希が首を傾げる。




「今日のケーキ、もしかして新藤が作ったわけ?」




そして顔を覗き込むようにして問い掛けた。




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