たべちゃいたいほど、恋してる。②
《とある女の真実》
優衣と夏希がカフェで新藤渉という新たな人物との出会いを果たしていた頃。
龍之介は大通りに面する一軒のアクセサリーショップに来ていた。
(三ヶ月…どうすっかな)
その目的は言わずもかな、三ヶ月記念日のプレゼント選びだ。
ちなみにこの店は既に三軒目である。
キラキラと可愛らしい小物がずらりと並ぶこの場所に、どう見ても不釣り合いなこの男。
周りの客はあからさまに龍之介を避けるようにして歩いているし、店員に至っては顔面蒼白で今にも泣き出しそうだ。
それもそうだろう。
誰だってこんなファンシーな場所でこんな男の姿を見ることにるなど思うわけがない。
しかし、当の本人はそんな視線など気にすることもなく。
優衣へ渡すプレゼント選びに全神経を集中させていた。