たべちゃいたいほど、恋してる。②
毎月手元に入ったバイト代の大部分はこうやって消えていく。
もともとあまり物欲のない龍之介は、自分のためにお金を使うことは殆どない。
専ら優衣とのデート代や食事の材料費に消えていくのだ。
最近欲しいと思うものは車の免許くらいなもので。
十八になったら速攻で取りに行こうと貯金しているのは誰も知らないだろう。
(なんか形に残るもんがいいんだよな…)
一ヶ月目も二ヶ月目も本物の薔薇を贈った。
それ以上のものをと思っているわけではないが、三ヶ月目の今度は何か形に残るものを送りたいと龍之介は思っている。
しかし、薔薇のモチーフは絶対に外せない。
それだけは絶対なのだ。
他のものを選ぶ気は毛頭ない。