たべちゃいたいほど、恋してる。②
あーでもないこーでもないと、ぐるぐる店内を歩き回りアクセサリーを物色する龍之介。
そしてそこで思わぬ人物と遭遇することになる。
「…げ!…龍之介!?」
「…ぁあ?」
陳列されたネックレスや髪留めを眺めていれば、トンっと体に感じた軽い衝撃。
どうやら誰かとぶつかってしまったらしい。
完全に気をとられていた龍之介は近くに人がいることに全く気付いていなかった。
自分が悪いと自覚のあった龍之介が謝ろうと振り返りかけた瞬間、横から聞こえてきたのは自分の名前で。
しかも物凄く嫌そうなその響きに、龍之介はぶつかってしまった相手へ反射的にきつい視線を向けた。
するとそこには、夏休み前に散々龍之介たちを引っ掻き回してくれた女の姿。