たべちゃいたいほど、恋してる。②
あの日戻された龍之介の髪は、夏になった今でも変わらず銀色に輝いていて。
光に触れるたびにキラキラと色を反射するそれはとても綺麗で、魅力的だ。
そして同時に龍之介の存在感をさらに大きなものにする。
その存在を見せ付けるように輝くそれに、優衣は未だに慣れることが出来ずにいた。
加えて今日は何処にも出掛けるつもりがないということもあってだろうか。
いつもは後ろに流れるようにセットされている髪は、襟足辺りでちょこんと結ばれているだけ。
普段は滅多に見ることの出来ない貴重なオフショットなのである。
しかも今日の龍之介はそれだけではない。
(…メガネ、してる)
そう。
本日の龍之介は黒ぶち眼鏡を着用しているのだ。