たべちゃいたいほど、恋してる。②
それは絶対に学校では見ることの出来ない姿で。
本人曰く、形から勉強に入るためにつけてみたらしいそのだて眼鏡。
それは見事なまでに優衣の集中力を奪っていた。
優衣の心臓が勉強どころでなかったのは言うまでもない。
(龍くんが…どんどん王子様になっていく…!)
優衣の目に映る龍之介は日々キラキラとした光を増している。
本物の王子というものに近づいているように見えるのだ。
そんなわけはないのだが。
どうしたらいいの!と一人真っ赤な頬を両手で押さえ狼狽えている優衣だが、その思いがすべて口から出ていることには気付いていない彼女。
その姿を見ながら龍之介が"可愛い奴…"と呟いていたことをもちろん優衣は知らない。