コンタクト
僕は椅子から立ち上がり、目を丸くしてテレビ画面を見つめた。
その勢いで手に持っていたサンドイッチを床に落とした。
ズボンの左ポケットに手を入れ、携帯電話を探したが...ない。
リビングを見渡すと、テレビと机、植木鉢...目の前にはサンドイッチ...
この部屋には僕の携帯はない。
急いで、自分の部屋へ戻り、携帯を探す。
布団を整えたから、ベッドにはないだろう。
机は...目覚まし時計を確認したときにはなかった。
だとすると...
昨日、出かける際に使ったバックの中を見た。
予想は的中した。
鞄の中には携帯電話が入ってた。
ブゥー...ブゥー...
携帯電話が振動していた。
着信は『笹森 結友(ささもり ゆう)』
結友も僕と同じことを考えていたのだろう。
携帯電話の着信ボタンを押し、耳にあてた。
「もしもし...」