Last flower【執筆中】
ドロドロ川であの日、スイムは言った。

「俺も手伝うよ。でも」

諦めに似た悲しい目をして続けた。「死ぬなよ」。

「…私が死ぬわけないじゃん」

「チャルみたいに消えそうでさ、怖いんだ」

「私は…死なない。生きるために実行するのよ。

何も怖いことなんて、ない。信じてよ、スイム」

そう言ってそっと笑みを浮かべたカスカを、

スイムの両腕が抱き寄せた。

カスカはスイムの男の子の匂いに柔らかく包まれて

しばらく目を閉じた。

「好きだ」

スイムの身体からその言葉が、直接響いてきた時、

それまでシンと静まり返っていたカスカの身体中の血液が

うなるように流れ始めた。心臓が、壊れそうなくらい高鳴った。

ユルカもこんな気持ちで、カイと抱き合っていたのだろうか。

もうあと少し早く、こんな気持ちを知ることができたら。

もしかしたら私はミユカを殺したりはしなかったかも知れない。

ユルカの想いに共感できたかも知れない。

けれども、それはすべて「もしも」の話。

ミユカを川に沈めた罰と、ユルカを責めた罰を

私は償わなくてはいけないのだ。

スイムに抱きしめられながらも、カスカの決心は揺るがなかった。
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