Last flower【執筆中】
何日も、雨が続いた。

おかげで計画が実行できずに、ほんの少し拍子抜けしながら

カスカは日々を過ごした。

カチッカチッとチャルのライターで火をつけたり消したり。

ぼうっとしながら過ごした。

そんなカスカの側を、ユルカは離れようとしなかった。

カイも。スイムも。

「もー、何なの?あんた達。

あたしのこと、見張ってるつもり?」

カスカがふざけたようにそう言って笑っても、

三人は誰も笑わなかった。

ためいきをついて、手近にあるネイルのボトルを取り、

カスカは赤色を丁寧に爪の上に乗せていった。

その姿はまるで、チャルのようだった。

そうだ。今のカスカは私よりも、むしろチャルに似ている。

ユルカは思った。

それも、「自殺直前のチャル」に、酷似しているーーー。

そう思い当たった時、ユルカはひやりと冷たい汗が

背中を流れるのを感じた。

テレパシーが使えなくなってしまったことを

今ほど悔やんだことはない。

カスカが感じた焦りや悲しみを、ユルカもまた、やっと理解できた。
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