Last flower【執筆中】
ざんざんと、雨音が大きくなる。
ユルカの不安を煽るように。
「大丈夫だよな」
その時、沈黙をざっくりと切り裂いてカイが口を開いた。
「何が?」
爪を塗り続けながらカスカが答える。
「俺たちの考えてること、する気じゃねーよなカスカ」
スイムに聞いた方がはえーかも知んねーけど。
とカイはつぶやき、そっと隣のユルカの手を握った。
「でも俺ら、お前の口からはっきり聞きてーんだよ。
大丈夫だよな?」
カスカは、カイを見つめた。
カイも、まっすぐカスカを見ている。
私は……この男の子に惹かれていた。
遠い昔のことのように、想う。
じゃあ、今は……?
「そういえばさ」
「え?」
「ずっと前から…
なんで私とユルカの区別がカイにはつくんだろうって
不思議に思ってたの。どうして?」
「………」
今は、気配すら潜めて、
泣き出しそうな怒り出しそうな表情をして
私の横にいるスイムのことが。私はとても。とても…。
「……『カスカがユルカじゃない』から」
「…ははっ!」
カイの答えに、カスカは思わず笑った。
なんだ。そんな簡単なことだったのか。
きっと初めから、決まっていたことだったんだ。
だからきっと、カイがカスカとユルカを区別することなんて
わけなかったんだ。
「恋って…すごいね」
そして、今のカイの言葉を聞いても
少しも傷ついていない自分にもカスカは感心した。
ユルカの不安を煽るように。
「大丈夫だよな」
その時、沈黙をざっくりと切り裂いてカイが口を開いた。
「何が?」
爪を塗り続けながらカスカが答える。
「俺たちの考えてること、する気じゃねーよなカスカ」
スイムに聞いた方がはえーかも知んねーけど。
とカイはつぶやき、そっと隣のユルカの手を握った。
「でも俺ら、お前の口からはっきり聞きてーんだよ。
大丈夫だよな?」
カスカは、カイを見つめた。
カイも、まっすぐカスカを見ている。
私は……この男の子に惹かれていた。
遠い昔のことのように、想う。
じゃあ、今は……?
「そういえばさ」
「え?」
「ずっと前から…
なんで私とユルカの区別がカイにはつくんだろうって
不思議に思ってたの。どうして?」
「………」
今は、気配すら潜めて、
泣き出しそうな怒り出しそうな表情をして
私の横にいるスイムのことが。私はとても。とても…。
「……『カスカがユルカじゃない』から」
「…ははっ!」
カイの答えに、カスカは思わず笑った。
なんだ。そんな簡単なことだったのか。
きっと初めから、決まっていたことだったんだ。
だからきっと、カイがカスカとユルカを区別することなんて
わけなかったんだ。
「恋って…すごいね」
そして、今のカイの言葉を聞いても
少しも傷ついていない自分にもカスカは感心した。