ある2人のある日常的なバレンタインの1日
夕飯時ーーキッチンに立つ師匠を見つめながら、僕の頭はフル回転しているが、良い案は思い浮かばない。
年に一度、三百六十五日の内一日しかない特別な日ーーバレンタインデーなのに……。
おそらく、師匠は今日がバレンタインだと気づいていないーーと言うより、師匠はイベント事には無頓着だ。いつも僕が企画しては半ば強引に参加させている。
今回も、バレンタインを謳歌しようと色々計画していたのだが、ことごとく空回りに終わってしまった。
バレンタインデーはもうすぐ終わってしまう。それまでに、なにかバレンタインらしいことをと思うのだが、なにも浮かばない……。