ひとりじめ
「はあ…」

昼休み、図書館で ぼんやりしながら、また溜息をつく。

『まあ 元気出せって。若い奴に 本気でイライラしても仕方ない』

直人からのメールを読み返して 少しだけ気を取り直した時。


「センセー 図書館でメールとか イケないんだ」

顔を上げると高澤がニヤリと笑っていた。

「な、何よ… ちょっとだけでしょ」


恵梨菜は 慌てて 携帯をポケットにしまう。

「珍しいじゃない、高澤君が図書館なんて」

恵梨菜は 負けじと笑う。

高澤は、探し物あるんだ、と言いながら 周りをキョロキョロと見ると

「ちょっと来て」
と恵梨菜の腕を掴んだ。

「何?」

仕方なくついて行くと 誰も居ない隅に連れて行かれた。
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