恋の訪れ
「ほら!ユミと香澄さん同じ学校だから」
ご丁寧に教えてくれる真理子。
でも、そんなのどうだっていい。
行きたくないのは心底願っての気持ち。
「あたし行かなきゃダメ――…」
「ダメよ、来なきゃ!」
言いかけたあたしの言葉を遮ってまで、真理子は眼力を飛ばしてくる。
「うーん…」
「それにさ、上玉だよ、上玉!!」
「じょう…だま?」
「イケメンばっか。そこらの男達とは違うよ」
興奮気味で話す真理子は呆れちゃう。
彼氏、居るでしょ…真理子。
「でも、合コンでしょ?そんなの来るわけないじゃん。どーせ真面目そうな暗そうな人ばっかでしょ?」
…イメージはね。
「ちょっと莉音。あたしを馬鹿にしないでくれる?」
スッとさり気なく入って来た落ち着いた声。
チラッと横を見ると、香澄先輩はニコっと微笑んだ。
「そうだよ、莉音!!なんたって香澄さんのツレなんだから」
「あ、そうか」
口を挟んだ真理子のお言葉に思わず納得してしまった自分が居た。