恋の訪れ

アルバムを抱えて部屋に戻った。

ベッドに寝転がって、ここ最近の事を思い浮かべる。


あの訳分かんない合コンの日から嫌な事ばかり起こってる。

サクヤ先輩みたいな危険な人に出会ったり、昴先輩みたいに悪魔みたいな人に出会ったり、毎日が最悪で。


おまけにヒロ君の女に文句言われたり、昴先輩の事が好きな女にまでも文句言われちゃうし…

ほんと、最悪な日ばかり。


なのに昴先輩はお姉ちゃんと親しげに話してるし…

なんなの。…って、ちょっとまった。


勢いよくベッドから起き上がった。

そしてテーブルに置いていたアルバムをもう一度手にし、ペラペラと捲る。


「…もしかして、嘘でしょ?」


呟く様に見つめる先は、さっきまで見ていたページ。

あたし達の家族と美咲さんの家族が映ってる場所。


この男の子って、もしかして昴先輩?

いやいや、そんな訳ないよね。


でもあたしの中で引っ掛かる事はたくさんあった。


仲良しだったお姉ちゃんと昴先輩。

お姉ちゃんは好きじゃない、って言ってたけど、昴先輩はあたしの家を知ってた。


それにさっき来てた美咲さんの子供は息子ばかりで。

子供を連れて海外に住んでたって言うし、昴先輩は帰国子女…


嫌だ、嫌すぎる。

なんなの、この変な胸騒ぎ。
< 132 / 446 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop