恋の訪れ
アルバムを抱えて部屋に戻った。
ベッドに寝転がって、ここ最近の事を思い浮かべる。
あの訳分かんない合コンの日から嫌な事ばかり起こってる。
サクヤ先輩みたいな危険な人に出会ったり、昴先輩みたいに悪魔みたいな人に出会ったり、毎日が最悪で。
おまけにヒロ君の女に文句言われたり、昴先輩の事が好きな女にまでも文句言われちゃうし…
ほんと、最悪な日ばかり。
なのに昴先輩はお姉ちゃんと親しげに話してるし…
なんなの。…って、ちょっとまった。
勢いよくベッドから起き上がった。
そしてテーブルに置いていたアルバムをもう一度手にし、ペラペラと捲る。
「…もしかして、嘘でしょ?」
呟く様に見つめる先は、さっきまで見ていたページ。
あたし達の家族と美咲さんの家族が映ってる場所。
この男の子って、もしかして昴先輩?
いやいや、そんな訳ないよね。
でもあたしの中で引っ掛かる事はたくさんあった。
仲良しだったお姉ちゃんと昴先輩。
お姉ちゃんは好きじゃない、って言ってたけど、昴先輩はあたしの家を知ってた。
それにさっき来てた美咲さんの子供は息子ばかりで。
子供を連れて海外に住んでたって言うし、昴先輩は帰国子女…
嫌だ、嫌すぎる。
なんなの、この変な胸騒ぎ。