恋の訪れ
「お姉ちゃんと昴先輩って仲良かったんですよ…」
「へー…」
「仲良くなる接点なんて何もないのに話してたんですよ!」
「ふーん…」
「香澄先輩!さっきから、へー…とか、ふーん…とかって聞いてます?」
「聞いてるわよ。要するに、昴の事が好きなのにお姉ちゃんと仲良しだったって事が嫌なんでしょ?」
「ち、違いますってば!あたし一度も昴先輩の事が好きだなんて言ってません!」
「だってそうなるでしょ。昴の事を聞きたいって、それしかないでしょ」
「だからそー言う意味で聞かないでくださいよ」
少し頬を膨らまして目を伏せると、香澄先輩は何故だかクスクスと笑みを漏らし始めた。
「はいはい、分かってるってば。で、香恋さんと昴が仲良しだって事でしょ?」
「うん」
「別に接点がどうこうじゃなくても話すでしょ」
「なんで?」
「香恋さん綺麗だから誰でも話したいってのは当たり前でしょ?昴だって、そこらの男の中じゃ男前だし女も寄ってくるほうだからね!だから二人が話しててもおかしくないでしょ」
「…やっぱ昴先輩の好きな人ってお姉ちゃんなんですね」
「なんで?」
「なんでって、香澄先輩言ってたでしょ?昴先輩には昔から気になる人がいるって…」
「あー…言ったね」
「それ、お姉ちゃんですよ」
「さぁ、ね。別にいいんじゃない?昴が誰を好きだとか興味ないし」
「まぁ…そうですけど」
そう呟いたのに、何故かおもしろおかしく香澄先輩は笑ってた。