恋の訪れ

暫く歩いた先に見えたのがコンビニ。

ちょっと喉を潤す為にコンビニの手前に差し掛かった時――…


「…――何でよっ、」


…―――って、女の泣き声が聞こえ思わず身体が止まってしまった。



「だから、お前が1回でいいっつったから寝ただけだろうが。なのに何で付き合わなきゃいけねぇんだよ」

「…だけどっ、」

「つか泣く事ねぇだろ」



そう面倒くさそうに話す男の言葉に眩暈がおきる。


…い、今…なんて?


そして更にはさっきよりもすすり泣く女の声に思わず視線が向かってしまった。

別に見るつもりなんてなかった。


だけどあまりの会話に無意識に視線が向かってた。


コンビニのドアから少し離れた位置。

面倒くさそうに私服を着た男と、その真ん前で制服を着た女。


あたしから見える位置から2人が横向きになってて、あまり見かけない制服を着た女は鼻を啜りながら俯いてた。


なのに目の前の男はダルそうにズボンに両手を突っ込んで――…


「…あ、」


思わず男が振り向いた所為で小さく声を漏らしてしまった。

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