恋の訪れ

「もちろん莉音も行くでしょ?」

「え、行かない。やだ、行きたくない」

「はぁ?何言ってんのよ、莉音。そんなんだからいい恋出来ないんだよー」

「別にいい」

「ほら!そんなんだから老けちゃうんだよー」


真理子はムギュっとあたしの頬を軽く引っ張ってクスクス笑みを漏らす。

そんな真理子に頬を膨らまして顔を顰めた。



結局、その日の放課後、真理子にまんまと乗せられ着いた場所はアミューズメント広場。


カラオケ。ボーリング。ダーツ。ビリヤード。スポーツジム。テニスだって野球だって出来ちゃう場所。


一式と言っていいほど、全てが集まってる所。ここに居ると一日居れるって場所に何故かあたしは居た。


「あ、ここだよ」


真理子が嬉しそうにドアを開けた場所はビリヤードの部屋だった。

シックな音楽が流れるとともに球の弾く音が辺りを響かせてた。


「あ!真理子!」


明るい声のした方向に視線を送ると、ユミちゃんが大きく手を振ってた。


「ごめーん、遅くなって。莉音ったらのんびりだから」

「もしかして莉音ちゃんご機嫌斜め?」


ニコニコして言ってくるユミちゃんに思わずコクリと頷く。


「やだっ!イケメン先輩達いるのにダメだよそれは!」

「でしょー、ほんっと莉音ったら弘晃、弘晃ーなんだから」

「えー、莉音ちゃんまだ想ってんの?もう辞めちゃいなよ」

「でしょー、ずっと言ってんだけどさ」


二人の会話にゲンナリする。

いいじゃん別に。

ほっといてよ…

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