恋の訪れ
「せ、先輩!昴先輩!!」
とにかくこのままだとダメ。よりによって昴先輩と寝てるだなんて、ありえない。
昴先輩の身体を強く揺さぶって、起こす。
「先輩、起きて下さい。昴先輩!」
「あぁ?」
だるそうに眠そうに言って、薄っすら目を開けていく昴先輩に、ひとまずホッとする。
「な、なんで先輩とあたしがここで寝てるんですか?」
「サクヤがお前が寝て起きねーから俺と変われって」
まだ眠そうにそう言う昴先輩は深いため息を吐きだした。
「えぇっ、あたし寝ちゃってたんですか?」
「お前、覚えてねーのかよ、」
「だって…」
「何度も起こしたのに起きねーし。なに呑気に寝てんだよ」
「だって…って言うか、何で先輩は裸なんですか?」
上半身裸だけど、下はちゃんと制服のズボンを穿いてる先輩が良く分かんない。
「暑かったから。てか俺、昨日寝てねーから眠いんだけど。寝かせてくんね?」
「あ、はい。…じゃなくて、い、今何時ですか?」
「さぁ…」
そう言って、今度はあたしに背を向けた先輩はまた眠りに入ろうとする。
えぇっ、ちょっと待ってよ。
慌ててあたしはベッドから降りて、鞄の中から携帯を取り出し、
「え、えぇっ!?」
思わずその時間に、声が張り裂けそうな大きな声を出してしまった。
…1時35分。
「う、嘘でしょ…」
だから慌ててもう一度、ベッドに飛び乗っかる。