恋の訪れ
「…はい?」
とりあえず言葉を返しておいた。
「俺、サクヤっつーんだけど。初めて見る顔だね」
なんてあたしにはどうでもいい。
でもここはとりあえず笑っておいた。
「ですね」
「同じ学校なのにねー…」
なんて見るからに派手。
茶髪に金のメッシュが入ったチャライ先輩はグラスに入っているコーラを飲みほしていく。
…とにかく早く帰りたいです。
なんて思いながら目の前に置かれていたアイスティーのストローを咥えた瞬間、ガタンとした音にビクンと身体が上がった。
「悪い。遅くなった」
そう言って、カナリ遅れて来た男があたしの目の前に座った瞬間、思わずあたしは飲んでいたものを吐き出しそうになった。
「おっせーよ、昴(すばる)」
「何?居残りかよ」
「また女かよ、」
ここぞとばかりに先輩達の声が飛び交う。
それにともなって、グランと揺れた視界と眩暈が起きたのは言うまでもなかった。
だって。
「…悪魔じゃん」