恋の訪れ

「もう一つのって、なんですか?」


真理子は目を丸くして声を出す。


「それは俺の口からは言えねーけど…」

「なんで?」


香澄先輩は驚いた表情でサクヤ先輩を見た。


「言えねーから。だからそれは…莉音ちゃんが昴から聞いた方がいいよ」

「あたし…が?」

「そう」

「莉音が関係してるって事?」


あたしの代わりに香澄先輩が聞いてくれるものの、これ以上あたしの口が開こうとはしなかった。


「関係…っつーか、だから昴に聞いて」


前の時もサクヤ先輩はそうだった。

自分からは絶対に何も言わずに昴先輩から聞けって。


何でか分かんないけど、サクヤ先輩は教えてはくれない…


「昴にって言っても会えないじゃん」

「だから場所教えるから行って」

「場所何処なの?」

「こっから車で30分くらい」

「はぁ?なにしてんの、昴…」

「つーか、そこに居るか分かんねーから。とりあえず電話すっから、絶対お前ら口開くなよ」


サクヤ先輩が携帯を取り出すと同時に香澄先輩と真理子はコクリと頷いた。


昴先輩は一体何をしてるんだろう。

学校って、なに?

ほんとに意味わかんない。

何のために?

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