恋の訪れ
「ってか、どうしたのよ、莉音。顔色悪いよ?」
「……」
「そんなに心配なわけ?好きって言われたんじゃないの?」
「…言われた。好きだったって、」
「え?それって過去形じゃん」
「え…分かんない。覚えてない。でも言われたかも」
「もー、だから莉音はお馬鹿なのよ。だったら昴先輩に聞けばいいじゃん」
真理子はため息をつきながら、目の前にあるポテチを頬ばる。
聞けばいいじゃんって、何をどう聞くの?
もう何故かその日はずっと頭の中がその悩みでいっぱいだった。
なのに、帰ってリビングのソファーでくつろいでるお姉ちゃんは、
「なにー?昴と今年最後のエッチでもしてきたのー?」
なんて、ビールを飲みながら不愉快な笑みをあたしに漏らした。
「え、えぇっ!?そんな訳ないじゃん」
「てか何焦ってんのよ」
「焦ってないし。変な事聞くからでしょ?」
「別に普通でしょ?」
「普通、聞かないよね?そんな事…」
「さぁ…あたし普通じゃないから」
なんて、自分でもわかり切った言葉を吐き出したお姉ちゃんはクスクスと笑った。
もう、ほんと嫌なんだけど。
真理子といい、お姉ちゃんと言いい…
もう、ほんとウンザリする。